「Railsの学習を始めたいけど、環境構築でつまずいて先に進めない……」そんな経験はありませんか?この記事では、macOSにRuby on Railsの開発環境をゼロからセットアップする手順を、2026年時点の最新バージョン(Ruby 3.4/Rails 8)に合わせて解説します。Apple Silicon搭載Mac(M1〜M4)でのつまずきポイントもカバーしているので、上から順にコマンドを実行していけば環境が完成します。
この記事でセットアップするもの
作業はターミナル(Launchpad → その他 → ターミナル、または ⌘ + Space で「ターミナル」と検索)で行います。全体像は次の通りです。
- Homebrew(macOS用のパッケージ管理ツール)
- rbenv + Ruby 3.4(バージョン管理しながらRubyを入れる)
- Git + GitHubのSSH設定
- Rails 8
- データベース(SQLite/PostgreSQL/MySQL)
- 最初のRailsアプリの作成と起動
動作を確認した環境は以下です。バージョンが多少違っても手順はほぼ同じなので、気にせず進めて大丈夫です。
| 項目 | バージョン・前提 |
|---|---|
| macOS | macOS 15 Sequoia / 26 Tahoe(Intel・Apple Silicon 両対応) |
| Homebrew | 4系 |
| Ruby | 3.4系(記事執筆時点の最新安定版は 3.4.11) |
| Rails | 8系(記事執筆時点の最新は 8.1) |
| シェル | zsh(最近のmacOSの標準) |
なお「Macの用意やインストール作業が面倒」「まずは手を動かしたい」という場合は、ブラウザだけで環境を作る方法もあります。Railsの開発環境をブラウザだけで作る方法【GitHub Codespaces】も参考にしてください。この記事は「自分のMacにしっかり環境を作る」派向けの手順です。
ターミナルがzshか確認する
まず、いま使っているシェルがzshかどうかを確認します。ターミナルで以下を実行してください。
$ echo $SHELL
# /bin/zsh/bin/zsh と表示されればOKです。macOS Catalina(2019年)以降は標準シェルがzshなので、ほとんどの人はこのまま進めます。もし /bin/bash と表示された場合だけ、以下でzshに切り替えてください(パスワードを求められたら入力します)。
$ chsh -s /bin/zshこのあとの設定は、ターミナルを開くたびに読み込まれる ~/.zshrc というファイルに追記していきます。
Homebrewをインストールする
Homebrewは、いろいろなソフトウェアをコマンド一発でmacOSに入れられるパッケージ管理ツールです。Rubyやデータベースもこれ経由で入れます。まず以下を実行してください(Xcode Command Line Tools が必要ですが、途中で自動的にインストールを促されます)。
$ /bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"【重要】Apple Silicon(M1〜M4)はPATHの追加が必要
ここがApple Silicon搭載Mac(M1・M2・M3・M4)で一番つまずくポイントです。Apple SiliconではHomebrewが /opt/homebrew にインストールされますが、この場所は初期状態ではPATH(コマンドを探しに行く場所)に入っていません。そのため、インストール直後は brew コマンドが「command not found」になります。
Homebrewのインストール完了時に ==> Next steps として表示される2行を、そのまま実行してください。内容は以下と同じはずです(これで ~/.zshrc にPATH設定が追記され、反映されます)。
# Apple Silicon(M1〜M4)の場合
$ echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"' >> ~/.zshrc
$ source ~/.zshrcIntel Macの場合はHomebrewが /usr/local に入り、PATHも最初から通っているのでこの追記は不要です。自分のMacがどちらか分からないときは、画面左上の Apple メニュー →「このMacについて」で「チップ」または「プロセッサ」を確認してください。「Apple M〜」と書いてあればApple Siliconです。
正しくインストールできたか、バージョンを確認します。
$ brew -v
# Homebrew 4.x.xHomebrew 4.x.x のようにバージョンが表示されればインストール完了です。
rbenvでRubyをインストールする
Rubyには多くのバージョンがあり、プロジェクトごとに使い分けることがよくあります。そこで、バージョンを切り替えられる rbenv を使ってRubyを入れます。まずrbenv本体をHomebrewでインストールします。
$ brew install rbenv ruby-build次に、ターミナルを開くたびにrbenvが有効になるよう、~/.zshrc に初期化コマンドを追記します。以前は長い if which rbenv ... の記述が使われていましたが、現在は rbenv init - zsh の1行が推奨です。
$ echo 'eval "$(rbenv init - zsh)"' >> ~/.zshrc
$ source ~/.zshrc準備ができたので、Rubyをインストールします。まず、インストールできる最新のバージョンを確認しましょう。
$ rbenv install -l
# 3.2.x
# 3.3.x
# 3.4.11 ← 3.4系の最新(数字は時期により変わります)表示された中から最新の安定版(本記事執筆時点では 3.4系)を選んでインストールし、デフォルトに設定します。ここでは 3.4.11 を例にしていますが、rbenv install -l で見えた最新のパッチバージョンに読み替えてください。インストールにはビルドのため数分かかります。
$ rbenv install 3.4.11
$ rbenv global 3.4.11インストールとバージョン設定ができたか確認します。
$ ruby -v
# ruby 3.4.11 ... [arm64-darwin24]指定したバージョンが表示されれば成功です。もし古いバージョン(例: システム標準のRuby)のままなら、ターミナルを一度再起動してから再度 ruby -v を試してみてください。
GitとGitHubを設定する
コードのバージョン管理にはGitを使います。GitはmacOSに標準で入っていることが多いので、まずは名前とメールアドレスを設定します。YOUR NAME と YOUR@EMAIL.com はGitHubに登録したものに置き換えてください(アカウントがなければ先に無料登録しておきましょう)。
$ git config --global user.name "YOUR NAME"
$ git config --global user.email "YOUR@EMAIL.com"
$ git config --global init.defaultBranch main次にSSH鍵を作ってGitHubに登録します。以前はRSA鍵(-t rsa)が使われていましたが、現在GitHubが推奨しているのはより安全で軽量な ed25519 です。以下のコマンドで作成します(メールアドレスは自分のものに置き換え、パスフレーズは設定を推奨。保存先を聞かれたらそのままEnter)。
$ ssh-keygen -t ed25519 -C "YOUR@EMAIL.com"作成した公開鍵の内容を表示してコピーします。
$ cat ~/.ssh/id_ed25519.pub
# ssh-ed25519 <ランダムな文字列> YOUR@EMAIL.com
# ↓ macなら以下でクリップボードに直接コピーもできます
$ pbcopy < ~/.ssh/id_ed25519.pubGitHubの SSH and GPG keys → New SSH key を開き、コピーした内容(ssh-ed25519 から末尾まで)を貼り付けて保存します。設定できたか、以下で確認しましょう。
$ ssh -T git@github.com次のように表示されれば認証は成功です(初回は接続確認で yes の入力を求められます)。
Hi your-name! You've successfully authenticated, but GitHub does not provide shell access.Rails 8をインストールする
いよいよRails本体を入れます。gem install rails でその時点の最新版(2026年時点ではRails 8系)がインストールされます。
$ gem install rails特定のバージョンを固定したい場合は gem install rails -v 8.1.0 のようにバージョンを指定します。インストールできたか確認しましょう。
$ rails -v
# Rails 8.1.xバージョンが表示されない場合は、rbenv rehash を実行するか、ターミナルを再起動してから試してください。
データベースを準備する
Railsでよく使うデータベースは主に3種類です。
- SQLite(デフォルト・追加インストール不要)
- PostgreSQL
- MySQL
結論から言うと、学習用ならデフォルトのSQLiteのままで十分です。SQLiteはRailsに最初から含まれているので、この節は読み飛ばして次に進んでも構いません。かつては「SQLiteは開発用、本番は別のDB」が定番でしたが、Rails 8ではSQLiteが本番でも実用的に使えるよう強化され、小〜中規模なら十分選択肢になります。チームの方針や本番でPostgreSQL/MySQLを使う予定がある場合だけ、以下でインストールしてください。
PostgreSQL(初心者にはこちらがおすすめ)
本番でしっかり使うDBを選ぶなら、まずはPostgreSQLがおすすめです。Homebrewではバージョン番号付きの名前でインストールします(数字は入れたいバージョン。brew search postgresql で選べます)。
$ brew install postgresql@16
$ brew services start postgresql@16PostgreSQLのデフォルトユーザー名はmacのログインユーザー名で、パスワードなしでアクセスできます。Railsアプリ側の config/database.yml の username をそのユーザー名に合わせてください。
MySQL
MySQLを使う場合も同様にHomebrewで入れられます。
$ brew install mysql
$ brew services start mysqlデフォルトユーザーは root でパスワードなしでアクセスできます。なお、Rails 8で solid_queue などのsolid系gemを使う場合の database.yml の書き方は、Rails8のsolid_queueなどを使った時のdatabase.ymlの書き方で詳しく解説しています。
最初のRailsアプリを作成する
準備が整いました。myapp という名前で最初のアプリを作ってみましょう。
# デフォルト(SQLite)で作る
$ rails new myapp
# PostgreSQLを使う場合
$ rails new myapp -d postgresql
# MySQLを使う場合
$ rails new myapp -d mysql作成したディレクトリに移動し、データベースを作ってサーバーを起動します。
$ cd myapp
$ rails db:create
$ rails serverPostgreSQL/MySQLを選んだ場合で rails db:create が Access denied や接続エラーになるときは、config/database.yml の username/password が正しいか確認してください。サーバーが起動したら、ブラウザで http://localhost:3000/ にアクセスします。Railsのウェルカム画面(「Rails version」「Ruby version」が表示されるページ)が出れば成功です。停止するときはターミナルで Ctrl + C を押します。
よくあるつまずきと対処
brew: command not found:Apple Siliconでbrew shellenvのPATH追記を忘れています。「Homebrewをインストールする」の手順を再確認してください。ruby -vが古いバージョンのまま:~/.zshrcのrbenv init - zshが読み込まれていません。source ~/.zshrcかターミナル再起動を試します。rbenv installがビルドで失敗する:xcode-select --installでCommand Line Toolsを入れ直すと解決することがあります。- Permission denied (publickey):SSH鍵の公開鍵(
id_ed25519.pub)がGitHubに登録できているか、貼り付けたのが公開鍵(.pub)かを確認します。
まとめ:次のステップへ
この記事では、macOSにRuby on Rails 8の開発環境をセットアップする手順を、Apple Silicon対応・ed25519のSSH鍵といった最新のやり方に合わせて解説しました。手順を振り返ると次の通りです。
- Homebrewをインストール(Apple SiliconはPATH追記を忘れずに)
- rbenv + Ruby 3.4をインストール
- Git + ed25519のSSH鍵でGitHubを設定
- Rails 8をインストール
- データベースを準備し、最初のアプリを起動
環境ができたら、次は実際に何か作ってみるのが上達の近道です。手を動かす題材としては、rails ブログ機能の実装方法7選!実例付きが定番でおすすめです。また、毎回この環境構築を繰り返さなくて済むよう、boilerplateを作成してGitHubのTemplate Repositoryにする方法で自分用のテンプレートを用意しておくと、次のアプリ作成がぐっと楽になります。フロントを整えたくなったらRailsにTailwind CSS v4を導入する方法も合わせてどうぞ。より体系的に学ぶならRailsガイドを読み進めていきましょう。
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